御前味噌の歴史
現在の徳島県にあたる地域では、平安時代以前から大豆が栽培され、撫養町(むやちょう=かつて徳島県板野郡にあった町)では、製塩も行われていました。このため、時期ははっきりしませんが、かなり古くから味噌づくりが行われていたと考えられています。
1585年(天正13年)、阿波国(現在の徳島県)の領主となった蜂須賀家政公の御前に味噌が差し出され、勤勉で倹約家である家政公が節約のために味噌食を進めた事から「御前味噌」の名前が生まれました。
江戸時代に阿波藍の生産が盛んになると、その原料となるタデアイの栽培も盛んになります。タデアイとタデアイの間に阿波目白大豆も栽培され、味噌の原料となる良質な大豆が収穫されるようになりました。
同時期には近畿地方に御前みそが出荷され、味噌汁用とするよりもおかず用の生食として好まれたようです。
御前味噌の特徴
産地 | 徳島県 |
分類 | 米味噌 |
原料 | 米麹・大豆・もち米 |
色 | 赤色・白色 |
味 | 塩分が12%と辛口味噌並みだが、米麹の歩合が高いので、味噌らしい塩味を感じつつ香りや後味に甘さがある。 |
その他
徳島県味噌工業協同組合の商標として「御膳」と登録されたのは1966年のことになります。