カレーのコクを出すのに、ソースやチョコレート、コーヒーを入れることがあっても味噌ってどうなの?しょっぱくて食べられないんじゃないの?
そんなことはありません。意外とミスマッチに感じますが、分量とタイミングを間違えなければ、コクがあるカレーを作ることができます。
実は、美味しいカレー屋さんのレシピにも合わせみそが入っているという情報もあるんですよ。
そこで、じわじわと人気が上昇中の、ご当地味噌カレーを紹介したいと思います。
ササチョウ味噌カレー(岩手県)
岩手県花巻市の佐々長醸造が作った味噌屋さんのカレーです。
木桶に仕込み、クラシック音楽を聴かせながら長期熟成させた「岩手田舎味噌」と、ジューシーな肉質と甘みのある脂身が特徴である高源精麦の「白金豚」が、カレーの旨味とコクを奏でます。
大きめの豚肉がゴロゴロと入っていて、旨味、コクが抜群です。
白樺派の文人達が愛した味噌入りカレー(千葉県)
千葉県我孫子市のご当地カレーです。
大正デモクラシーの頃、白樺派の文士達が愛した味を再現したカレーです。その当時、志賀直哉や武者小路実篤も、好んで食べていたと言われています。
白樺派の中心人物である柳宗悦(やなぎむねよし)氏の妻である兼子さんが、「味噌を入れたら?」と陶芸家のバーナード・リーチ氏の助言を受けて、隠し味に味噌を入れたところ、「田舎の粒みそ入りのおいしいカレー」になりました。
ちなみに、カレー粉は当時の定番カレー粉「C&B純カレー」を使っています。
江戸味噌カレー(東京都)
東京都中野区の味噌屋、あぶまたの味噌を使ったカレーです。
あぶまたの江戸甘味噌を混ぜ込んだカレーは、米麹の甘みと大豆の甘味と香りが特徴で、まろやかな味わいになっています。
お肉は東京生まれの幻の豚肉、東京X豚を使用しています。
参考江戸甘味噌の歴史と特徴八丁味噌カレー(愛知県)
愛知県豊川市の料理旅館呑龍(どんりゅう)の、スタッフ用まかない料理をヒントに開発されたカレーです。
岡崎市名産のカクキュー八丁味噌を使用し、味噌の甘味とコクが、カレーのスパイスと意外にマッチしています。
じっくり煮込んで丁寧に仕上げたカレーは、やさしくてどこか懐かしい味がします。
ほんのり和風味なので、カレーうどんにもぴったりです。
参考八丁味噌の歴史と特徴串かつだるま・どて牛すじ味噌煮込みカレー(大阪府)
大阪といえば、たこ焼き、お好み焼き、串カツを想像する人も多いと思いますが、このカレーは串かつだるまのどて焼きがベースになった和風カレーです。
香ばしい味噌が、食欲をそそる美味しさです。
大阪の食文化が、カレーにしっかりと溶け込んでいます。
豚角煮カレー(長崎県)
長崎の食文化である和洋中がミックスした名物カレーです。
九州麦味噌のひとつである島原麦みそを使ったカレーは、ボリューム満点の豚の角煮の脂身と、味噌のコクがマッチした、深みのある味わいです。そして辛さは中辛。
じっくりと煮込んだ豚角煮の美味しさが楽しめます。
参考九州麦味噌の歴史と特徴肉みそ仕立てのコク旨島豚カレー(沖縄県)
沖縄郷土料理のひとつ、肉みそを使ったカレーです。
肉味噌は、豚肉の旨味を味噌で包んで、濃厚かつ甘辛な味が特徴です。
肉味噌は、少なすぎると風味が感じられず、多すぎるとカレーの味を邪魔してしまいます。しかしこの島豚カレーは、カレーを味わいつつも、肉みその味とコクが感じられます。
また、島豚の旨味がギュッと詰まっていて、とても美味しい味わいになっています。
最後に
自分で味噌カレーを作る場合は、4人分に対して味噌大さじ1/2。味噌を入れるタイミングは仕上がり直前です。
量が多すぎると味噌臭くなり、グツグツ煮込むと味噌の風味が飛んでしまいますので、気を付けてくださいね。